辺境の空域、L―18エリアを飛んでいた時だった。
突然、周囲に青白いガスが立ち込めたかと思うと、飛行艇のすべてのセンサーが狂いだし、その場に立ち往生することになった。
遭難信号を出すべきか迷っていると、突然目の前に不気味な緑の燐光をまとった星舟が現れた。
街は何かに破壊され、ガレキと化しているようだ。先端の巨大なクレーンがぎしぎしと揺れて、星はまるで凶兆を告げる不吉な黒い鳥のように見えた。
何があったのだろう?この星は工場?それとも何かの実験施設に使われていた?食い入るように見つめていると星舟は再び燐光に包まれ、幻のごとく姿を消してしまった。
しかし消える直前、奇妙に明るく輝く貯蔵タンクと、街にたった一つだけ灯った明かりを見たのは決して気のせいではない。