この星舟には宇宙中のありとあらゆる宗教の寺や神院、神殿が集まっているという
宇宙中のどんな神にも、いっぺんに詣でる事が出来る、とてもありがた~い場所
どんな神にもと言うことは、つまり邪教と言われる神もきちんと祀られている
なぜならこの広大な宇宙では光と影は混在していて、ゆえに正と悪との境目も、限りなくあやふやだから…という理由だそう
ところで星の船首像(トレードマークになっている建物や構築物)の長い鼻にヒレを持った生き物、ゾウガメは、ある高名な宗教学者の案によって製作されたもの
彼の研究によれば、ある星ではその昔、巨大なゾウガメ※という生き物が大地を支えていたと信じられていたとか
※作者注 古代のインド星では、大地は巨大な亀の背中に乗った4頭の象が支えている、と信じられていました
この星舟の世界では長い年月の間に正確な伝承は失われ、象の頭と亀の体が合体したゾウガメなる生き物がいたのだと誤って伝わっているようです
昔どんなに栄華を誇っても、長い年月の前にはその栄華もほんの一部、それも誤ってしか伝わらないものさ!とゾウガメの目は言っているようです