雪の参道


夕方まで降っていた雪が折よく止んで、それなら神社へお参りに行こうかと、炬燵からえいやっと足を引き抜いた。
 人にもまれながら山の上の神社へ向かう。
 参道の両側にずらりと並んだ灯篭に明かりが灯り、参拝に来た人々の顔を明るく照らす。
 私も今年の出来事に想いを馳せながら、長い石階段を上がっていくうちに、ふもとの寺から除夜の鐘が聞こえ出した。周囲の人々の顔がいっせいに感慨深げなものに変わる。
 来年も良い年でありますように。
 そう心の奥でつぶやきながら、雪の積もった階段の先を見上げると、大きな満月が木々の梢にかかっていた。